京都の住宅 スキップ2 大阪市の設計事務所の空間アイデア
2022/02/14
階段にしても廊下にしてもただ移動するだけの空間として終わらせるのではなく、
周りの生活の場に取り込むことで住宅すべてを意味のある価値のあるスペースとして生活のシーンに引き込み、
狭い空間を広く、広い空間をより広がりのある空間にすることが出来ます。
こういった空間アイデアは我々設計事務所、建築家が成せる技でもあります。
そしてなによりも画期的なのはこの住宅が注文住宅としてオーナーさんと打ち合わせして出来たものではなく、
地場のハウスメーカーさんによる建売住宅であるということ。
建築家である私が設計事務所として、より良いと思う住まいの提案をし、実現した空間です。
設計するものがアイデアによって空間を作る。
住む人に合わせるのではなく、空間コンセプトを気に入った方に住んでもらう。
そこには私なりの考えがあります。
モノが溢れ、収納によって支配された住まいの空間に一石を投じるプラン。
ただ機能的、利便性、経済性を優先しただけの住宅ではなく、「遊び」とか「楽しみ」、
「おだやか」といった本来人間が自由に生きる上で必要な感性を引き出すような。
「余白」「行間」を大切にした住宅を提案したいという思いです。
人によっては吹抜けは無駄だと言うでしょう。人によっては段差は邪魔だと言うでしょう。
人によっては収納出来ないと言うでしょう。人によってはそんなもの必要ないと言うでしょう。
そう言う人はその価値が利便性、経済性優先の基準になっているからです。
しかしコロナ禍で私たちは経験しました。これまでの価値観が通用しなくなることを。
私たちが持っている価値観は、私たちが知り得ない膨大さのほんの一部の側面でしかないことを
身動きが出来ない中で知りました。
このスキップ2と少し前に完成をみたスキップ1のスキップシリーズは、人生を楽しむためのツール
としてすまいがあること。日常という逃げることのできない時間と空間をより良く、自由に生きる。
そんなコンセプトで計画しています。
私たちは楽しむために生きています。楽しむために苦しみます。そしてそれを乗り越えます。
私たちは自由であり続けます。 中島崚真